外反母趾。
一度は耳にした事があるワードではないでしょうか。
まだ軽い方、重度の方、痛みが発生してしまっている方、様々だと思います。
今回は発生メカニズムを残させて頂きます。
外反母趾とは?
病像
主要な病像は母趾の進行性の外側偏位である。変形は主として中足趾節間関節で発生しているように見えるが、外反母趾の病態力学はしばしば母趾列全体に及ぶ。X線に示されるように、外反母趾は、足根中足関節における第1中足骨の過度内転を合併している。これはしばしば「第1中足骨内反変形」として医学文献で呼ばれている。
Donald A.Neumann(原著),嶋田智明、平田総一郎(監訳),筋骨格系のキネシオロジー,医歯薬出版株式会社,2010,618p
外反母趾は、第1中足骨が内反し、中足趾節関節で母趾基節骨が外反し、中足趾節関節が内側に膨隆した母趾の「くの字状」の変形を言う。
丸山仁司,考える理学療法評価から治療手技の選択,文光堂,2004,372p
途中で一回休憩したくなる文章ですね。
言葉で説明するとどうしても長くなって難しくなりますが、結局こういうことです!笑↓
重症度
測定には2種類あり。
母趾の外反を測るのか、中足骨の内反を測るのか。
イメージしやすいのは母趾の角度でしょうか。
ここでは母趾基準として測定する方法でご紹介させて頂きます。
- 1度(軽度):足長軸に対して10-20°、第1中足骨に対して10-40°
- 2度(中度):足長軸に対して20-40°、第1中足骨に対して40-60°
- 3度(重度):足長軸に対して40°以上、第1中足骨に対して60°以上
原因
先天性あるいは遺伝的素因
- 中足骨内反の存在
- 大きな中足骨頭
- 過度のエジプト型母趾
- 内側楔状骨や筋腱の解剖学的異常
外的因子
- 靴(特に先の細い靴)
- ストッキングの使用
上記による母趾の圧迫。
その他
関節リウマチなどで骨・関節に病変をきたし二次的に発症。
発生メカニズム
第一段階 第1中足骨頭が凸を呈し、趾骨が外側に亜脱臼
- 第1中足骨頭が過剰に凸を呈する。
- 趾骨が外側に亜脱臼を起こす。
- 内側楔状骨の関節面が斜めである為、中足骨を内方に向け、第1中足骨内反を起こす。
第二段階 母趾屈筋・伸筋が弓の糸の様に作用
- 趾骨が外側に偏位してくると、長短母趾屈筋と背側の長母趾伸筋が弓の糸の様に作用する。
- この際に種子骨も外側に転位。
第三段階 足底内在筋のアンバランスが生じる
- 母趾内転筋が過剰に牽引・短縮。
- 母趾外転筋は母趾内転筋に負けて伸びきってしまう。
何をしたらいいの?
〇足底の問題に対して共通して出来るものは以下でご紹介させて頂いています。
〇外反母趾に特化しており、簡単に始められそうなものは以下で紹介させて頂いています。
まとめ
外反母趾自体はなんとなくわかっている方がほとんどかと思います。
今回は更に深堀しました。
原因は多くは先の狭い靴による圧迫であるとお伝えしました。
メカニズムとしてはその圧迫により骨がくの字になっていき、それにより筋肉のバランスが崩れてしまう事もお伝えさせて頂きました。
それに対して何をしたらいいか、簡単なものを書かせて頂いた記事も載せていますので参考にして頂ければ嬉しいです!
本日もありがとうございました!
参考文献
- Donald A.Neumann(原著),嶋田智明、平田総一郎(監訳),筋骨格系のキネシオロジー,医歯薬出版株式会社,2010,618p
- 丸山仁司,考える理学療法評価から治療手技の選択,文光堂,2004,372p
- 渡辺正仁.理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のための解剖学,廣川書店,2010,396p
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