最近歩いている時の足の裏の痛みが酷くなっています。
どうにかしないといけないなと思っています。
こう嘆く彼女は以下の様な人。
【基礎情報】20代女性 病院勤務 患者さんを移乗などをする機会あり
【スポーツ歴】クラシックバレー
【主訴】歩いている時に足の裏が痛い。デスクワーク中に首・肩も痛い、怠い。
皆さんはどうでしょうか。
完全には一致しないかと思いますが、
実際に足の形や動作を確認していく中で共通点が見つかるかもしれませんね!
原因を考える上で、何故なったかを知る事は大切です。
例えば足の裏が痛い場合は足のアーチが崩れていたり、足の裏の筋肉を使いすぎている事が原因で痛みに繋がってしまっている場合があります。
今回の女性でも当てはまる部分があり、これは足の裏が痛い方全般に共通する事も多く存在します。
また、首・肩が怠いので取り合えずストレッチをしていませんか?
この女性も首が怠いのでストレッチをしていました。
その結果はその時は気持ちいい感じはしたとのことですが、次の日には同じことの繰り返しです。
なぜでしょうか?
この女性の原因が首・肩の筋肉が硬いから怠いからではなかったからです!
では本症例では実際にどの様な歩き方をしていたのでしょうか。(掲載の許可を得ています)
結論から言いますと、この女性の足の裏の痛みはほとんど消失しました。
また、首・肩の痛みも気にならなくなったと話されており、同じく悩まれている方は一度は目を通して頂き参考にしてもらえると少しでも痛みの軽減につながるかもしれません!
1日の1/3は職場で過ごしますが、現在この女性は、この大切な時間を痛み無く過ごす事が出来ているとのことです。
それでは一緒に確認してみましょう!
何が原因?
- 足が変形してしまっており、本来の足の機能を果たせていない
- 足の裏の筋肉を使いすぎている
その人個々の問題は多くありますが、ここでは上記2点に焦点を当てていこうと思っています。
足のアーチが崩れている
- 外反母趾
- 偏平足
この2つは基本的にセットです。
この女性も例外なく二つの条件が揃っておりました。
アーチが崩れてしまうと
- 蹴り出し機能の低下(推進力)
- 緩衝機能の低下
- 神経圧迫による痛み
- 不要な摩擦が起こりタコができる
など様々な問題が発生します。
足の裏の筋肉を使いすぎている
歩行時の足の体重は理想的な通り道があります。
踵からつき、親指と人差し指の間を抜けていきます。
ここが上手に行かないと足の裏を通る組織が過剰に頑張ったり影響が出てしまいます。
以下に例を挙げています。
これらが頑張りすぎたり、黄色い神経が圧迫を受けると
- 足底腱膜炎
- モートン病
など足の裏に痛みが出てしまいます。
今回のケースもこのパターンと考えました。
肩甲骨の位置が下がっている
肩甲骨の位置は理想とされる位置があります。
大体の目安となります。
この骨模型は姿勢が悪く、指導が必要です。
(肩甲骨と背骨の距離ももう少し狭い方が良さそうです。角度は左の方が理想的です。)
この位置がずれる事で
- 筋肉
- 筋膜
- 靭帯
- 神経
- 関節
- 皮膚
これらが伸びすぎたり、縮こまってしまい影響が出てしまいます。
今回の場合、肩甲骨が下に下がってしまい、首・肩の筋肉が常に伸びきっている状態でした。
筋肉は伸びすぎたり、伸び続ける事でも不快感や痛みに繋がってしまう事があります。
何をしたか
まず、大まかにこの女性の問題点としてまとめます。
アーチ機能に対して
足のアーチ機能を維持する為に大切な足裏の筋肉があります。
その筋肉のトレーニングをする事は選択として挙がります。
しかし、今回はインソールで補強する事で対応しました。
インソールの利点として
- 即効性がある
- 筋トレをしなくてもいい
勿論、ご自身で足裏の筋肉を使える様になるのが一番です。
しかし、すでに痛みがある生活をされていたので、まずはそれを軽減する事を優先しました。
この様に足から崩れると膝、股関節、更にはその上にある骨盤やお腹と上方にも影響が出てきます。
左図の様に常に身体を倒していたら左右差が生じ、片方の腰の筋肉だけ使用するなどアンバランスとなります。
基本的に我々は左右差が生まれるとバランスが崩れどこかに集中したストレスがかかります。
それがその内痛みに変わってしまいます。
身体を捻じらなければ腰が動かなく、
↓
腰が動かないと足が振り出せず、
↓
足が振り出せないと前に進みにくくなり、
↓
足の指を曲げる筋肉など、足裏を過剰に使う必要性が出てきます。
肩甲骨を正しい位置へ
この女性は肩甲骨が理想より下がっていました。
まずは理想の位置で固定する練習からお願いしています。
止まった状態で固定できなければ、動くと到底固定は難しいものとなる為です。
今回ポイントとして、首・肩の痛みや怠さのが出ている筋肉とトレーニングをした筋肉は別
首・肩の痛みや怠さが出ている筋肉(僧帽筋)
いわゆる肩こりの筋肉です。
特にこの図の赤文字である僧帽筋上部繊維です。
↓でもう少し詳しく紹介しています。
この記事ではストレッチを紹介していますが、今回は違います。
この筋肉は伸びきっている為に痛みや怠さが出ていました。
ですので、本来の位置で生活する事が大切になります。
トレーニングが必要な筋肉(前鋸筋)
肩甲骨をパシッと固定する時に必要な筋肉です。
1-8番目の肋骨に付着し、肩甲骨の内側を通る筋肉ですので手で触れにくい場所です。
図の様に前方の肋骨から後方の肩甲骨の一部に付着します。
背中(肋骨)から肩甲骨を浮かない様に止めておく役割があります。
こちらでもう少し詳しく触れています。
肩甲骨の理想の位置
・固定する為の意識づけ
・その位置での筋肉を使うトレーニング
実施して頂きました。
この様に実施する事で、本来の肩甲骨の位置で前鋸筋を使える様に促しています。
結果と実際の声
実際にアフターフォローとして定期的に確認させて頂いています。
全く関係の無いものは黒塗りしています。
痛みだけでなく、体重減少にも繋がっています。
もともとお腹とお尻の筋肉を使用できていないかったので、それを使用する様になると自然と基礎代謝は上がります。
2022/9/15にインソールを作成し、その二日後ですね。
実はこの方、職場の後輩ですので敬語ではありません。
だいたいの方は足裏の筋肉が普段より使用できるのでポカポカすると表現して下さります。
それを見越して質問してみたらヒットしたものですね。
約一週間後ですね。
仕事中の足の痛みは無くなってきていますね。
インソールに違和感が無くなってきたとの事ですね。
いい徴候です。
インソール作成から約一カ月。
ご自宅の中での素足でも痛みが無くなってきています!
同時期に、後ろ足で蹴り出す力を実感できています。
この力が出ると歩行速度がも上がってきます。
歩行が変わったか他者が気づいている段階かなと思い選択的に質問しています。
ですが、痩せた方で気づきがあったみたいです。
普段から仲の良い同期に言われています。
ご本人は満足しています笑
一カ月半経過辺りで体重が減ってきています。
足底の筋肉が使用できる様になると歩行効率は上がります。
それにより腰回りやお腹の筋肉も使用し基礎代謝も上がってきます。
ダイエットしていないのに体重が下がったのがそこに理由がありそうですね!
この時はインソールの他に先程紹介させて頂いた肩甲骨の固定練習も実施して頂いています。
肩の痛みも軽減して、気になる事は無くなっている様ですね!
どうでしたか?
元々勤務中に足底に痛みが発生し、靴や靴下を検討されていました。
そこまで本気で考えているのならと今回経過を追わして頂く事を条件に介入しています。
介入2日後から記録があるのは改善する見込みがあり、結果が出る予感があったからです。
今回はそれが良い方向に向かい、ここに記録をする事ができました。
改善する見込みや結果が出る予感と表現しましたが、ケースのパターンも勿論あります。
ですが、ご本人がどれだけ本気で向き合ってるかがもっとも重要となります。
今回の方はご自分でもどうにかしようと動いてました。
「●●すれば直ぐに改善!」
みたいなものが巷では横行していますが、実際にはかなり難しいのではないでしょうか?
その人の問題点とそれに対するアプローチがマッチして初めて結果が出ると実感しています。
それは他者に多角的に見てもらわないと分からないものです。
私自身も、同僚に見てもらったり街中でガラスに映る自身を見て修正をする事が多くあります。
自分の中では出来ていても大概それは出来ていません。
同じように悩まれている方、ご気軽にご相談下さい。
ちょっと知りたい。
だけでも構いません。
それであなたの問題点を知る事が出来るのならこの記事を書いた意味があります。
筆者こばしりに相談してみる↓
まとめ
今回は実際にあった、足の裏の痛みと首から肩にかけて痛みがある女性の例を紹介しました。
痛い場合はストレッチやマッサージが直ぐに思い浮かぶと思います。
今回の例ではどちらもそれでは改善しないケースでした。
・伸張性が低下している
・筋肉が硬くなっている
そんな状況ではないのは姿勢や肩甲骨の位置から仮設を立てる事ができました。
案の定、足部からの膝→股関節→上半身の積み立てや、クラシックバレー時代の名残から肩甲骨が下がり過ぎている事が原因として有力であったケースでした。
勿論、今回紹介させて頂いた項目以外も多くあります。
非常に細かくなるので今回は割愛しました。
ですが、その人個人の問題は今回の例の様に細かいものです。
人によって実施しないといけないものは個々によって違うのだと言う事を知って欲しくこの記事を書かせて頂きました。
また、途中で書かせて頂きましたが、この女性はご自身でどうにかしようとしているくらい本気で痛みとむきあっていました。
そういう本気の方に読んで頂きたいと思いこのケースを紹介していますし、そういう事ならとご本人からも動画や写真を発信する事に許可を得ています。
ご自分の問題は中々気づけないものです。
少しでも気になられたらご気軽にご相談下さい。
筆者こばしりに相談してみる↓
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